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普通の高校生たちが、普通にもがいてる姿が愛しい!5編の短編、どれもとても共感できた。素敵な作家さんに出会えた。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
  • 金曜のバカ
  • by
  • 出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
金曜のバカ
表紙の絵の気持ちよさに惹かれて読んでみる。
 《金曜のバカ》
引きこもり男の勘違い加減が、正直初めは怖いと感じた。それが、恋愛のはじまりなんて、こんなものなのかも…と思えたのは読み終えての感想。
10代20代初めの人間の、思いこみとか、感情の振り幅の大きさなんかの表現が上手い方だなぁ。カナの逞しさがまた素敵(笑)それでこそ田舎の女子高生!!
 《星とミルクティー》
しし座流星群を一人夢中になってみた記憶があるせいか、この話は本当にわくわくした。マンションのベランダから見たので、彼らのように土にしゃがみ込んで見たかった。
ただ、このお話、智子さんにはしない方がいいだろうな(笑)私だったら話として聞くのはいいけど、娘の名前の由来と考えるとちょっと複雑なものもあるかも。(嫉妬?笑)
 《この町》
松山の15歳、高校1年生・小谷雅樹の冒険譚(?)初めてできた彼女を、3泊4日の東京旅行に連れ出す悲喜こもごも。
坊ちゃん電車を嫌ったり、彼の『田舎嫌悪』はすごくよくわかる。自分もかつては同じだったから。生まれてからずっと囲まれてきたもの全てを嫌悪して、東京は素晴らしい所!と決めつけてる感じ。よくわかるなぁ(笑)
聡子先生やマミ、電車オタクトリオの落ち着きが羨ましくも感じた。かつての自分にも、見えていなかったものがたくさんあったもの。
 《僕の愉しみ 彼女のたしなみ》
この中で、唯一といっていいと思うが、東京に暮らす二人が主人公。
幕張の恐竜展に行ったことがあるせいかもしれないが、この二人は非常に高感度大。
 《ゴンとナナ》
先日の桜庭さんの《少女七竈と七人の可愛そうな大人》にもあったけれど、わんこに語らせるというのは、ほのぼの感満載の為か、油断してるとうるっとさせられる事がある。
匂いかぁ。人間もわんこ並嗅覚だったら…暮らせないかも(笑)

高校生を中心に、愛すべき人間達にたくさん出会えた。優しい気持ちになれたし、心から「がんばれ~っ」と、応援したくなった。
この作家さんの作品、もっと読んでいきたい!
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  • 掲載日:2011/07/30
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